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配偶者居住権が存続期間の満了前に消滅した場合

民法では、配偶者居住権の存続期間を「配偶者が亡くなるまで(遺産分割協議または遺言で別段の定めをした場合には、その期間)」と定めており、原則として存続期間の中途で変更することはできません。

 

 ただし、配偶者が用法遵守義務に違反した場合や、居住建物の所有者の承諾を得ないでその建物の改築や増築、または第三者に対する賃貸を行った場合には、居住建物の所有者は配偶者に対して期間を定めて是正の催告を行い、その期間内に是正されないときは配偶者居住権を消滅させることができます。

 

また、配偶者が配偶者居住権を放棄もしくは居住建物の所有者と合意することが可能とされています。

配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合、居住建物の使用・収益ができることとなります。その配偶者居住権の消滅により、配偶者から所有者に使用・収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法9条の規定により、配偶者から贈与があったものとみなされ、居住建物の所有者に対して贈与税が課税されます。

 

具体的には、配偶者居住権は消滅したときにおいて、その建物の所有者または建物の敷地の用に供される土地の所有者が、

①対価を支払わなかったとき、または②著しく低い価額の対価を支払ったときは、原則、その建物や土地の所有者が、後の消滅直前に、その配偶者が有していた配偶者居住権の価額またはその配偶者居住権に基づき土地を使用する権利の価額に相当する利益の額を、その配偶者から贈与によって取得したものとして扱われます。

 

被相続人が残してくれた建物をどうするかによって、かかる税金も違ってきます。

それぞれの立場や環境によって、細かく確認し、どのようにするのが最善なのか、考えていきましょう!